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2026.03.06

訪日する一人旅の旅行者には、なぜ男性が多い?

世界の多くの市場では、一人旅は女性旅行者のものというイメージが一般的です。近年の世界的な調査では、一人旅旅行者の最大84%が女性という推計もあり、個人旅行において女性の参加が長年高い水準にあることが示されています。*1

こうした背景の中、私たちが関西国際空港(KIX)で実施した調査では、日本においてやや異なる傾向が見られました。

調査対象となった一人旅旅行者のうち、 
男性は53%、女性は47%と、ほぼ男女が拮抗する結果となりました。

女性が多数派となることが多い世界の一人旅トレンドと比較すると、日本は男性の一人旅旅行者の割合が比較的高い目的地である可能性が考えられます。

この傾向の背景の一つとして考えられるのが、日本のポップカルチャーの世界的影響力です。

同じ調査では、男性旅行者の約半数が「アニメ」を訪日理由の一つとして挙げたのに対し、女性では約4分の1という結果でした。もちろん、アニメは訪日動機の一つに過ぎませんが、特に男性層を中心に世界的な人気を持つコンテンツであることが、日本への男性の一人旅を後押ししている可能性も考えられます。

つまり、日本の文化コンテンツは、単に訪日への関心を高めるだけでなく、誰がどのように個人旅行をするのかにも影響を与えている可能性があります。

日本のインバウンド市場は、単に世界的な一人旅のトレンドを反映しているだけではなく、次のような要素の組み合わせによって形成されている可能性があります。 

  • 世界的に影響力のあるポップカルチャー
  • 明確で関心の高いニッチなテーマ
  • 一人でも参加しやすい体験型コンテンツ

こうした動向を理解することは、観光地がどのように体験を設計し、文化的魅力を発信し、旅行者セグメントを捉えるべきかを考える上での参考になるかもしれません。

皆さまのインバウンド戦略や観光施策において本記事の内容が参考になりましたら、ぜひ感想をお聞かせください。次の戦略を練るステップの一つとして、私たちとの意見交換の場をご活用いただければと思います。

本記事は、2025年9月に関西国際空港にて実施された「訪日観光客調査:日本におけるAIへのニーズと期待」(有効回答数:訪日外国人273名、実施:株式会社アーティーズ)の結果に基づいています。 

*1 出典: Atlys Solo Travel Statistics 
https://www.atlys.com/blog/solo-travel-statistics