女性旅行者が日本で最も積極的に参加しているアクティビティとは
インバウンド観光の議論では、女性旅行者はしばしば
- 都市観光
- ショッピング
- カフェ巡り
- 都市型の旅程
といったイメージで語られることが多いかもしれません。
一方で、自然を中心とした旅行や、忍者・侍体験のようなアクション型の文化体験は、女性参加者と結び付けて語られることは比較的少ない傾向があります。
しかし、関西国際空港(KIX)で実施した私たちの調査では、やや異なる傾向が見られました。
調査結果では、
- 女性旅行者の約3分の2が、都市観光よりも地方・自然型アクティビティを選択
- 忍者・侍体験の参加者の78%が女性
という結果となりました。
この結果は、女性旅行者が地方や体験型旅行を避けているわけではなく、むしろこうした分野で積極的に参加している可能性を示しています。
一つの解釈として、女性旅行者は単に見るだけの観光よりも、文化的背景や物語性を伴う「没入型の体験」に高い関心を示している可能性があります。
地方観光地や忍者・侍体験のような体験型プログラムは、こうした要素を多く含んでいることが、女性参加率の高さにつながっているのかもしれません。
もちろん、これは都市観光の重要性が低いことを意味するものではありません。むしろ、旅行者セグメントによって体験の好みが異なること、そして性別とアクティビティの関係についての従来のイメージが必ずしも実態を反映していない可能性を示唆しています。
インバウンドのプロモーションでは、都市の有名観光地や定番スポットが中心になることが少なくありません。しかし今回のデータは、女性旅行者にすでに強く支持されている地方型・体験型コンテンツを、より明確に位置付ける価値がある可能性を示しています。
地方自治体や観光事業者にとって、こうした傾向の理解は次のような分野に活かせるかもしれません。
- 体験プログラムの設計
- コンテンツ開発
- 都市観光と地方観光のプロモーションバランス
今回のデータが示しているのは、旅行者の嗜好が急に変化したというよりも、これまで十分に認識されていなかった傾向が存在している可能性があるということでしょう。
本記事は、2025年9月に関西国際空港にて実施された「訪日観光客調査:日本におけるAIへのニーズと期待」(有効回答数:訪日外国人273名、実施:株式会社アーティーズ)の結果に基づいています。
